[メイン] 自殺志願シャン : x5 3d6 #1 (3D6) > 12[3,3,6] > 12 #2 (3D6) > 7[1,1,5] > 7 #3 (3D6) > 11[4,6,1] > 11 #4 (3D6) > 10[3,6,1] > 10 #5 (3D6) > 9[1,6,2] > 9
[メイン] GM : 準備出来たら出航だァ〜〜〜〜〜!!!
[メイン]
ゼシルウェンシー :
出来てますよ
出航ですァ~~~~!!!
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 海面が盛り上がる。黒い海が激しく飛沫を挙げ、まるで主の帰還を祝う拍手を奏でるかのように騒がしく波立った。
[メイン] GM : 海を割って現れたのは──山だ。山がよろめきゆっくりと動き出したことで、それが山でないことがようやくわかった。
[メイン] GM : 無数の触覚で顔を覆い、濡れたゴムのようにぬらぬらと光る鱗に覆われた肉体が、一歩一歩と進むたびに海を震わせ、大地を絶望させる。
[メイン] GM : 最早人々は手を合わせ、ただ呆然と見上げることしかできない。
[メイン] GM : かの存在はそれだけ──存在するだけで生命を諦めさせる力があった。
[メイン] GM : 心の臓が中心から冷え、固まっていく感覚。呼吸 が浅く小刻みになる。
[メイン] GM : しかし幸いなことは、頭の芯も同じように機能が失われていくことを感じられることだ。
[メイン] GM : この恐怖に耐えきれてしまう精神などがあれば──それは正に、悲劇としか言いようがない。
[メイン] GM : 海の王は触手を広げ、大地を絶望とともに血で染 め上げるだろう。
[メイン] GM : 矮小な生命を悲観せよ。偉大なる神を仰ぐのだ。
[メイン] GM : 最早この大地に進化も発展も不要である。恒久た る絶望が満ちる星で、死のみが唯一の救済と知る がいい。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
汗が滲んでいた。
ゼシルウェンシーは最近、悪夢をよく見る。冷たい汗を纏わせ、鈍い頭痛と共に起床するのが日課だ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……ひィアッ!!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 背筋をバネのようにして跳ね起きる。
[メイン] GM : 北極より迫る青白い光に飲まれ息絶える、緑の一つ目に睨まれながら無数の触手に飲み込まれる、風に弄ばれ空で蹂躙される……数えきれないほどの恐怖が、夢を介して脳に深々と刻まれていた。
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「ヒャアー……ひでー! ひっでー夢見です!」
乱暴に前髪をかき分ける。
口元だけはヘラヘラとしているが、少し余裕のない目元が晒された。
[メイン] ゼシルウェンシー : そして夢の余韻の残る頭をぐわんぐわん。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いや連日ながら参っちまう……ギャハハハハ!!!」
[メイン] GM : ともあれ、夢で日常生活をおろそかにするわけにもいくまい。ゼシルウェンシーは日常生活を開始する。
[メイン] ゼシルウェンシー : 笑い、寝台を乱暴に叩くこと数回。
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「……あー」
頭の血も引くってもんです。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「毎度毎度最悪な一日の始まりですが、さてさてさて!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ま、こっから最高にすりゃーお釣りがくるってもんです」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「っつーことで今日一日に勝ちに行くとしましょうか!」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
げらげら!
やはり寝台から飛び起き。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「今日は……ああ、お暇を貰ってるんでしたっけね?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 普段の仕事と言えば血なまぐさいものばかりだが……と懐のナイフを感じつつやや回想。
[メイン] ゼシルウェンシー : 今日ばかりは少し毛色が違う。
[メイン] ゼシルウェンシー : 大まかにいえば暗殺者のようなこの身の上、現在の情勢について知るのも重要である。との上司からお達し。
[メイン] ゼシルウェンシー : 正直なところあまりお勉強というものも好きではないが、言いつけられては致し方なし……。
[メイン] ゼシルウェンシー : などと考え込む間に、普段は読みもしない新聞などを広げていた。
[メイン] GM : 新聞には特集記事があるようだ。
[メイン]
GM :
明日、とても珍しい星の配列が見られるらしい。
何千年に一度……とか何とか。
[メイン] GM : それに伴い、昴ドームで天体観測が行われるそうだ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 並ぶ文章に目を滑らせてから、ぽいと紙面を投げ捨てた。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いやー、やっぱメンドくせえ~!」
[メイン] ゼシルウェンシー : この男、三行以上の文字は読めないタイプであった。
[メイン] ゼシルウェンシー : とはいえ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「えー……明日、お祭り騒ぎがあるみたいで?」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
でかでかと写真付きで掲載されたことくらいは頭に入っていた。
昴ドーム、天体観測……
[メイン] ゼシルウェンシー : 「さて、まあ……安穏と日常生活を営んでただけってえーのは少々面目が立ちません」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いいですね、お祭り騒ぎ。是非に是非に赴きましょうか」
[メイン] ゼシルウェンシー : 丁度いい!
[メイン] ゼシルウェンシー : 「あ、でも明日のお話でしたっけえ?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「そうそう、今起きたばっかなもんで……」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……うーん……」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……まあ、今また寝ても後からドヤされちまいますし」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「テっキト~にブラついちゃいますかあ……」
[メイン] ゼシルウェンシー : ふらふらと考え込んだ後、そのまま自室を抜け出し、街中へ。
[メイン] GM : 街中は明日の天体観測に沸いていた。
[メイン] GM : 昴ドームの下見に何人も来ている。かなり熱狂的なイベントになりそうだ。
[メイン] GM : 下見には宗教団体のようなものまでいると噂されていた。
[メイン] ゼシルウェンシー : ぎゃーぎゃーと騒がしいもんですねぇ……。
[メイン] ゼシルウェンシー : 星が揃ってそんなに嬉しいものか。それがどうして喚く理由になる?
[メイン] ゼシルウェンシー : いや、騒ぎたいから騒いでるんでしょうけど。
[メイン] ゼシルウェンシー : ……こういうのも、世間を知る一環でしょうか?
[メイン] ゼシルウェンシー : ここで目に映るは、やや周りの一般人とは違う空気を帯びた団体。
[メイン] ゼシルウェンシー : 話を聞くなら、”ああいうの”の方が面白いに決まっている。
[メイン] ゼシルウェンシー : 揚々とした足取りで団体に向けて距離を大きく詰め。
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「やあやあ! どうもコンニチハ!!」
わざとらしいくらいの馴れ馴れしく、喧しく挨拶する。
[メイン] 宗教団体 : 「おや? 何か御用ですか?」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「ど、どど、どうも」
よく見てみれば思ったより神聖な顔だったので思わずどもった。
[メイン]
宗教団体 :
「もしや明日のイベントの下見ですか?
それなら会場はここ昴ドームで間違いないですよ」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「へえ~……」
顔のインパクトが強くて頭に入ってこないんですがね。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いや、失敬。どうにもアナタ方、周りのお方と雰囲気が違うようでしたから、イベントがもう始まってるのかと思いましてねえ」
[メイン] 宗教団体 : 「ああ、成程」
[メイン]
宗教団体 :
「イベントは明日の夜で間違いないですよ。
私達はただの下見ですから」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「はあ、ただの下見とな」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「では、イベントとアナタ方は無関係なわけで」
[メイン] 宗教団体 : 「イベント関係者……という訳ではないですね」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「フゥン、にしてはちっと目立ちますけど。どういうお方かお聞きしても?」
[メイン] 宗教団体 : 「私達はとある宗教を嗜んでおりましてね」
[メイン] 宗教団体 : 「明日に起こる星の配列。その時に祈りを捧げると神に届くと言われているのですよ」
[メイン] 宗教団体 : 「その為の下見です」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「神と来ましたか……」
お祈りが届くような神なんて、いないのにかわいそうなこって。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「興味本位ですが、なんつー神様で?」
[メイン]
宗教団体 :
「これを言うと驚かれる方も多いのですが……」
と前置きして続ける。
[メイン] 宗教団体 : 「神の名前は私達も知らないのですよ」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「おやおやマア!」
本当に驚きです。
[メイン] 宗教団体 : 「神の名を知る事……それ即ち神に近づく事とされています」
[メイン]
宗教団体 :
「それは私達が犯すべきではない禁忌。
故に私達はただ祈りを捧げているのです」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「神聖ンン文字ってぇわけですね」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「なーる……興味深い話、どうもありがとうございました」
[メイン] ゼシルウェンシー : 言葉と裏腹に、そっけなく。
[メイン] 宗教団体 : 「いえいえ、力になれたのなら幸い」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「大変タメになりましたよ。んじゃ、機会があればまたお会いしましょうっ!」
[メイン] 宗教団体 : 「ではまた」
[メイン] ゼシルウェンシー : 手をひらひら……
[メイン] ゼシルウェンシー : その場を後にし。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……いやー、すげえ顔でした」
[メイン] ゼシルウェンシー : 相手の話をそこまで真剣に聞いていなかったのが丸分かりの独り言を漏らした。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「にしても結構長く話しちまいましたかね?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 空を見上げ。太陽はもう中天を過ぎているらしい。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ま、後軽く見回ったら帰りますかね」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
[メイン] ゼシルウェンシー : そしてふらふらふらふら。
[メイン] ゼシルウェンシー : 彷徨うように街を歩いたが。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「やっぱ世の中」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「つまんねーの」
[メイン] ゼシルウェンシー : 何一つとして気を引くものはなく。
[メイン] ゼシルウェンシー : どこか浮つくような調子そのまま、やがて帰路へ着いた。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : ゼシルウェンシーは夜に目が覚める。悪夢を見ない、久しぶりの目覚めだ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……ああ?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 瞼を上げる。
[メイン] ゼシルウェンシー : どうにも現実感が無いが。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ああ、そういや変な夢見てませんからねえ」
[メイン] ゼシルウェンシー : そりゃ目覚めた気もしない。
[メイン] ゼシルウェンシー : 頭を数度、横に振る。
[メイン] ゼシルウェンシー : それからのっそりと身を起こす。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「二度寝って気分じゃあないな」
[メイン] GM : ふと窓を見ると、昴ドームがほんのり明るい。
[メイン] GM : ドームの灯り……という訳ではない。何故か直感でそう感じた。
[メイン] ゼシルウェンシー : おやおや。
[メイン] ゼシルウェンシー : お祭りは明日だと聞いていましたがね。
[メイン] ゼシルウェンシー : いや、違うか?
[メイン] ゼシルウェンシー : 「今夜、この瞬間」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「それがお祭りってわけですかあ?」
[メイン] GM : だが同時に違和感もあった。
[メイン] GM : 昴ドームに異常があるというのにあまりにも静かだ。
[メイン] GM : 町並みに灯りはなく、夜更かしな人々の姿も皆無だ。虫の鳴き声すら響かない。
[メイン] GM : 灯りがあるのは、昴ドームだけだ。
[メイン] ゼシルウェンシー : へへへ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 嵐の前には、静けさが欠かせない。
[メイン] ゼシルウェンシー : いいですね、ちょっとノってきました。
[メイン] ゼシルウェンシー : ああ……あんまり期待しすぎないようにしないと!
[メイン] ゼシルウェンシー : そして、身支度もおざなりに。
[メイン] ゼシルウェンシー : 上着を乱暴に着込むと、夜の街へと駆け出して行った。
[メイン] GM : 街のすべてが、世界のすべてが沈黙している。活動している人間がいないため、街はとっぷりと暗い。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「しっずか~~~」
[メイン] ゼシルウェンシー : 静寂を割いて、場違いに陽気な声を一つ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「誰かいませんか~って! ギャハハハハ!!」
[メイン] GM : 声が響く。それに応える者も咎める者もいない。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ギャハ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いいねえ!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 明らかな異常事態。
[メイン] ゼシルウェンシー : 一日過ごすだけでも胸が腐るような日常とは正反対。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「俄然期待、高まりますねえ?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 足取りはずっと止まっていない。
[メイン] ゼシルウェンシー : 足の向く先は当然、大舞台。
[メイン] ゼシルウェンシー : 夜道をひたひた、昴ドームへ。
[メイン] GM :
[メイン] GM : 辿り着くと、やはりほんのりとした灯り。
[メイン] GM : どこか神秘性すら感じられる。神など信じていなくとも、そう思わされる。
[メイン] ゼシルウェンシー : 神様っぽいのならもう昼間に見ちまいましてぇ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 二番煎じです、間が悪かったですねえ。
[メイン] GM : 警備員の気配もない。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「マジで誰もいねえな?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「好都合っつーべきか、張り合いが無いっつーべきか」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ンマ、お留守なら話がはえー」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「盗人猛々しく行きましょうか」
[メイン] ゼシルウェンシー : ドームを見上げ、それから無遠慮に歩を進める。
[メイン] ゼシルウェンシー : 人がいなきゃこれでヨシ。いたらいたでこの状況を知ってるかもしれねえんでヨシ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 俺、かしけー!
[メイン] ゼシルウェンシー : 静寂の中、一人で笑っていた。
[メイン] ゼシルウェンシー : ギャハハッ。
[メイン] GM : 中へ入ると、そこには。
[メイン] 燃彦 : 炎のようにたゆたう衣を着た友彦と。
[メイン] 冷彦 : 氷のように透き通った衣を着た友彦が碁を打ち、盃を交わしていた。
[メイン] GM : あの灯りは、この二人から放たれていることに気がつく。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「と……友彦!!!」
[メイン] GM : 二人が声に気付く。
[メイン] GM : すると至極穏やかに、探索者に一連のことを説明する。
[メイン] 燃彦 : 「星の並びが変わることは人間たちも気づいているのだろう」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「どの立場から話しているんでしょう……???」
[メイン] ゼシルウェンシー : 人間たちってなんだよ。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「お前さん人間じゃーないんです?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] 冷彦 : 「私達はとある理由で地上に降りてきた」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「なんです? ぬるいジュースでも飲みたくなりました?」
[メイン] 燃彦 : 「星辰が揃いし時、眠っている神々の夢は終わり、破壊と絶望の限りを尽くす未来が来る」
[メイン] 燃彦 : 「地球は生命の終わりを憂いた。そして愛されたのがあなた、だ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「俺ぇ?」
[メイン] 燃彦 : 「地球は近い未来を夢に乗せてあなたに届け続けた。しかしあなたは人間だ、どうすることもできはしない」
[メイン] 燃彦 : 「夢に覚えがある筈だ。それは地球からの警告」
[メイン] ゼシルウェンシー : ああ、はいはい。アレね。
[メイン] ゼシルウェンシー : 納得しながら話を聞いておく。
[メイン] 冷彦 : 「だから私達が手を貸すことにした」
[メイン] 冷彦 : 「地球に愛された人間ならば、空に召し上げるに相応しい才覚だ。ならば単純な話、あなたを星にして星図を書き換えてしまえば良い」
[メイン] 冷彦 : 「……しかしそれは、友彦の系譜に連なることを意味する。人であることを捨て、愛した人々と違う時の流れで恒久を生きることを強いはできまい」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ええ…………」
[メイン] 冷彦 : 「これを最期の時と定め、わずかな時間を慈しみ地球とともに果てることもまた、生命に許された道である」
[メイン] 冷彦 : 「であればせめて、暴虐な神々に最期を恐怖で踏み潰されぬようこのまま穏やかに眠らせてやることもできる」
[メイン] 冷彦 : 「私達にできることは、あなたを空に召して友彦星にすること。あるいは優しい最期を迎えさせてやることだ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「えええ…………」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ちょっと彦星とかけてんじゃねーよデブ!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「オリオンのごとく英雄ならともかく、友彦として夜空でさらし者になるのはきちーですね」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「でも友彦にならなかったら世界が滅ぶんでしたっけ?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「こんなイヤなセカイ系初めて見ましたですよ」
[メイン] 冷彦 : 「全ての生命は旧支配者に蹂躙され、恐怖に慄き、狂い死ぬ」
[メイン] 冷彦 : 「あなたの夢が現実となる……いやそれすらも断片」
[メイン] 燃彦 : 「より恐ろしい惨劇が待ち受ける」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「お前たちよくその神聖なテンション保てるな」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「ふぅむ……」
顎に手を当てて考える。
[メイン] ゼシルウェンシー : この究極の二択、酷すぎる……
[メイン] ゼシルウェンシー : 「質問いいです?」
[メイン] 燃彦 : 「よかろう」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
「ムカつく応答ですよ」
うわ!ありがとう!
[メイン] ゼシルウェンシー : 「友彦になれば、俺が星になれるんでしたっけ?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「で、お前たちは友彦だったな?」
[メイン] 冷彦 : 「それもまた然り」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「そんじゃあ、お前たちは星か?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ところでなんですけど」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「囲碁、どっちが勝ったんです?」
[メイン] 燃彦 : 「勝負はまだついてはいない」
[メイン] 冷彦 : 「一進一退とは正にこのこと」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「勝負、付きそうですか?」
[メイン] 冷彦 : 「すぐにはつかないだろう」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「へえ……」
[メイン] 燃彦 : 「しかし、夜が明ける前には」
[メイン] 冷彦 : 「ああ、幕が下りるだろう」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「なるほどねえ」
[メイン] ゼシルウェンシー : こいつら両方ナイフで攻撃していいですか?
[メイン] GM : いいよ
[メイン] ゼシルウェンシー : ccb<=90 ナイフ>燃彦 (1D100<=90) > 88 > 成功
[メイン] ゼシルウェンシー : ccb<=90 ナイフ>冷彦 (1D100<=90) > 55 > 成功
[メイン] GM : 両方の友彦にナイフで背後から一突き。
[メイン] GM : しかし……。
[メイン] 燃彦 : 燃彦の体は炎となりて。
[メイン] 冷彦 : 冷彦の体は氷となりて。
[メイン] GM : それは、何も効果がなく終わる。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ありゃ、勝てない!」
[メイン] 燃彦 : 「それもその筈、あなたは人間」
[メイン] 冷彦 : 「神に干渉することも叶わぬこと」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「こ~いつは参りましたねえ……」
[メイン] 燃彦 : 「そして、仮に私達を討ち取りはしても」
[メイン] 冷彦 : 「明日に起こる惨劇は起こる」
[メイン] ゼシルウェンシー : バレてーら。
[メイン] 燃彦 : 「再び話そう。私達に出来るのは」
[メイン] 冷彦 : 「あなたを空に召して友彦星にすること。あるいは優しい最期を迎えさせてやることだ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いやあ……どっち選んでも俺の負けじゃねーですか!」
[メイン] ゼシルウェンシー : ヒィーヒッヒ!
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いやまあ、どうしたもんか!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「愛されてるだなんだ言われてこれを押しつけられるんだから参る!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ハタ迷惑なんてもんじゃないが目を付けられるだけでこれだから終わってる!」
[メイン] 燃彦 : 「あなたの困惑は至極真っ当」
[メイン] 冷彦 : 「しかしてこれ以上の手もなし」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「へへへっ……あんまり親身にされる方が困るんですがね?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「まあ……そういうことなら話は決まりましたよ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ま、ちょっと聞いてくださいな」
[メイン] 冷彦 : 「よかろう」
[メイン]
ゼシルウェンシー :
どうも、と置いてから。
「俺は勝つのが好きでしてね」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「負けんのもまあ好きです」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「勝負事が好きです」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「勝てば嬉しい、負けりゃあ次勝ったときもっと嬉しくなれるから楽しい」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「んだもんで」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「負けっぱなしってのは最悪です」
[メイン] ゼシルウェンシー : へらへらと語る。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「……星になるのってのもすげー不本意ですがね」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「だからってここで死んだら負けっぱなしでしょう?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「どんな形でも生きてればいつか勝ち直す機会があるんです」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「少なくとも俺はそう信じてる!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いいでしょう、お前たちの思惑に乗りましょう!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「星にでも何にでもなればいいんでしょう?」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「そうすりゃー次がある!」
[メイン] 燃彦 : 「生きてくれるか」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「生きますよ、生き永らえますとも」
[メイン] 燃彦 : 「愛した人々の笑顔が最早、寄り添うものではなく見守るものになっても」
[メイン] 冷彦 : 「愛した人々の命が終わっても尚、何ひとつ支障をきたさないまま回っていく世界を見つめることになっても」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「関係ねえ~」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「無くなったもんだってその内、手に戻せますよ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「アンタらの話だと俺は永遠に生きるんでしょう?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「じゃあ問題ナシ」
[メイン] GM : 友彦らは傾けていたものと同じぬるいジュースを探索者にも勧める。その中には無色透明の液体に、星のような粒が無数に輝いていた。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ぬっりぃ~~~」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「まあ熱いのと冷たいのが二人いれば仕方ないですかねえ」
[メイン] ゼシルウェンシー : グビッ!
[メイン] ゼシルウェンシー : ジュースを飲み干す。
[メイン] GM : 探索者がぬるいジュースを傾けると、星君らも柔らかく微笑み、それに倣う。
[メイン] GM : ぬるいジュースを飲み込んだゼシルウェンシーの体は光を放ち、ゆっくり浮き上がる。
[メイン] ゼシルウェンシー : 「ふわあーっ」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「いやふわあーっじゃなくて、へへへ!」
[メイン] ゼシルウェンシー : 「これで現世とバイバイですかねえ?」
[メイン] 燃彦 : 「然り」
[メイン] 冷彦 : 「戻ることは叶わぬだろう」
[メイン] 燃彦 : 「叶うのは、世界の在り方をただ眺めるのみ」
[メイン] 冷彦 : 「そして永久に廻る宇宙の理を」
[メイン] GM : そして、友彦らの言葉が終わると。
[メイン] GM : ゼシルウェンシーは、夜空へと昇っていった。
[メイン] ゼシルウェンシー : まあオカワイソウなやつらです。
[メイン] ゼシルウェンシー : 永久とやら!それを生きているはずなのにこんな簡単なこともわかっちゃいない!
[メイン] ゼシルウェンシー : ”勝てるまでやりゃ勝てる!”
[メイン] ゼシルウェンシー : でも今回は、今この時は。
[メイン] ゼシルウェンシー : ――俺の負けだ!!! それでいい!!!
[メイン] ゼシルウェンシー : ギャハッハハハハハ!!!!
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 朝、何時も通り目を覚ました人々は口を揃えて「今日の夜に!」と言葉を交わす。
[メイン] GM : そして揃って見上げた星空が期待を裏切ったことに、肩を落とし不満に口を尖らせるかもしれない。
[メイン] GM : しかし。
[メイン] 宗教団体 : 「そこには悠久の時から頭上を照らしてきた美しい星々があるのだ」
[メイン] 宗教団体 : 「何を不満に思うことがあろうか」
[メイン] GM : 人はあっけなく、宝石箱をひっくり返したような星空の虜になることだろう。
[メイン] GM : 人々は指を指し、星をなぞる。綺麗だね、そう口にして、やがて笑顔を浮かべる。あなたを見つめながら。
[メイン] GM : END 431 光年先の君へ
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :